真⑤空き家を放置すると起こるリスク(放置の危険性を知りたい人)

空き家を所有しているものの、「今は特に問題が起きていない」「忙しくて手が回らない」「将来どうするかはそのうち考えたい」といった理由で、そのまま放置してしまっている人は少なくありません。空き家は住んでいないだけで大きな問題が起きていないように見えるため、つい後回しにされがちです。

しかし、空き家の放置は何もしないという楽観的な感覚でいると後から問題が出てくる可能性があります。時間が経つごとに確実にリスクが積み重なっていき、気づいたときには取り返しのつかない状況になっていることもあります。放置によるリスクは、建物の劣化だけでなく、税金や法的責任、近隣とのトラブルなど、さまざまな形で表面化します。

本記事では、空き家を放置することで何が起こるのか、なぜ放置が危険なのかを、初めて調べる人にも分かるように丁寧に解説していきます。


なぜ空き家は放置されやすいのか

空き家が放置される背景には、いくつか共通した理由があります。
相続で突然所有することになり、どう扱えばよいか分からない。
遠方に住んでいて頻繁に通えない。
売るか残すか決めきれず、判断を先延ばしにしている。                                                                             

これらはいずれも自然な感情であり、決して特別な事情ではありません。しかし、問題は「決められないまま時間が過ぎること」です。空き家は時間が経てば経つほど、放置による影響が大きくなっていきます。


空き家は人が住まなくなった瞬間から劣化が始まる

建物は、人が住むことで維持されています。日常的に窓が開けられ、空気が入れ替わり、水回りが使われ、異常があればすぐに気づける環境にあります。しかし、空き家になるとこうした日常的な管理やメンテナンスが一切行われなくなります。

湿気がこもり、カビが発生しやすくなり、設備や配管が劣化し、小さな不具合が見逃されます。その結果、数年で住めない状態にまで劣化してしまうケースも珍しくありません。


建物劣化による具体的なリスク

放置された空き家でまず進行するのが、建物そのものの劣化です。

屋根や外壁は、風雨や紫外線によって少しずつ傷んでいきます。定期的な点検が行われないことで、雨漏りが発生しても気づかず、内部の柱や梁がカビが増殖して腐食してしまうことがあります。

床下ではシロアリが発生し、構造部分を食い荒らすこともあります。こうした被害は外からは見えにくく、発見した時には修繕費が高額になることがほとんどです。

室内の換気を定期的に行わないと湿気がこもり、部屋じゅうにカビが発生して壁内部もカビが繁殖して腐ってしまいます。配管も水を定期的に通水しなとサビが付着して、配管に穴が開いてしまう場合もあります。


害虫・害獣が住み着くリスク

人の出入りがない空き家は、害虫や害獣にとって非常に居心地のよい場所になります。ネズミやハクビシン、アライグマなどが屋根裏や床下に住み着くこともあり、冬は断熱材の入った天井裏に住み着くケースがあり、糞尿による悪臭や天井の破損が発生します。

これらの被害は、建物の価値を下げるだけでなく、近隣にも迷惑をかける原因になります。売却を考えたときには、建物は使用できなくなり大きなマイナス要因になります。


倒壊や事故につながる危険性

劣化が進んだ空き家は、倒壊や部材落下といった重大な事故を引き起こす可能性があります。台風や地震の際に屋根材や外壁が飛散し、通行人や隣家に被害を与えることも考えられます。

こうした事故が起きた場合、所有者は管理責任を問われ、損害賠償を請求される可能性があります。放置していたことが理由で、予想外の金銭的負担を負うことになりかねません。


空き家でも税金はかかり続ける

空き家を放置していても、固定資産税や都市計画税は毎年必ず発生します。住んでいないからといって免除されることはなく、使っていない不動産に対して費用だけを払い続ける状態になります。

さらに問題なのが、管理状態が悪い空き家に対する税制上の扱いです。


特定空家・管理不全空家に指定されるリスク

空き家の管理状態が著しく悪いと、自治体から特定空家や管理不全空家に指定される可能性があります。この指定を受けると、それまで受けていた固定資産税の土地の軽減措置が解除され、税額が最大6倍と大幅に増えることがあります。

税金が数倍になるケースもあり、放置していた結果、金銭的負担が急増することになります。


行政指導や代執行の可能性

特定空家に指定された後も改善が行われない場合、自治体から指導や命令が出されます。それでも対応しない場合、最終的には行政代執行として強制的に解体され、その費用を所有者が負担することになります。

自分で判断して解体するよりも高額になるケースもあり、放置の代償は非常に大きなものになります。


近隣トラブルが発生するリスク

空き家の放置は、近隣住民とのトラブルを引き起こす大きな原因になります。

庭の雑草が伸び放題になり、隣地へ越境する。
ゴミが不法投棄される。
不審者が侵入する。                                                     動物が住み着いて出入りをしている。

こうした状況が続くと、近隣から苦情が寄せられ、地域全体の問題として扱われることもあります。


放火や火災の危険性

空き家は放火の標的になりやすいとされています。人目が少なく、管理されていない建物は、犯罪の温床になりやすいのです。

万が一火災が発生すれば、周囲の住宅にも被害が及び、所有者として重大な責任を問われることになります。


放置期間が長くなるほど選択肢は狭まる

空き家を放置する最大の問題は、時間が経つほど選択肢が減っていくことです。

建物が劣化すれば、売却が難しくなります。
修繕費がかさめば、活用も現実的ではなくなります。

結果として、売ることも使うこともできない負動産になってしまう可能性があります。


放置は「何もしない」ではなく「リスクを選ぶ行為」

空き家を放置することは、安全な現状維持ではありません。
それは、劣化、税金増加、トラブル、責任リスクを受け入れる選択をしている状態です。

何も起きていない今こそが、最も選択肢が多いタイミングであることを理解しておく必要があります。


放置を避けるために考えるべき方向性

空き家を放置しないための選択肢は複数あります。

定期的に管理する。
管理サービスを利用する。
活用方法を検討する。
売却や解体を考える。

どれを選ぶにしても、放置よりはリスクを抑えられます。


まとめ 空き家放置の危険性を正しく知る

空き家を放置すると、建物の劣化、税金負担の増加、近隣トラブル、法的責任など、さまざまなリスクが確実に積み重なっていきます。

今は問題が起きていなくても、放置は将来の負担を増やす行為です。
危険性を正しく理解し、早めに向き合うことが、空き家問題を最小限に抑える第一歩になります。

売るか決まっていなくても大丈夫