親や親族が亡くなり、実家や空き家を相続することになったとき、多くの人が戸惑いを感じます。悲しみが癒えないまま、手続きや判断を迫られ、「この家をどうすればいいのか分からない」と悩むのは、ごく自然なことです。相続した空き家は、すぐに答えを出さなければならない問題のように感じられますが、実際には整理すべきことが多く、慎重に考える時間も必要になります。
相続した空き家に関する相談は、「売るべきか残すべきか」という二択だけではありません。相続直後にやるべきこと、今すぐ決めなくてもよいこと、放置してはいけないことを一つずつ整理することで、無理のない判断ができるようになります。本記事では、相続直後やこれから相続を迎える人が、安心して考えを整理できるよう、相続空き家の相談ポイントを丁寧に解説していきます。
相続した空き家で多くの人が悩む理由
相続した空き家の問題が難しい理由は、感情と現実が同時に押し寄せるからです。生まれ育った実家、家族の思い出が詰まった家を、簡単に手放す決断はできません。一方で、住む予定がなく、管理の負担や費用がかかる現実も無視できません。
さらに、相続は突然起こることが多く、事前に準備できていないケースがほとんどです。何を優先すべきか分からず、「とりあえずそのままにしておく」という選択をしてしまう人も少なくありません。
相続直後にまず整理すべきこと
相続した空き家について考える前に、最初に整理しておきたいことがあります。これを飛ばしてしまうと、後々トラブルにつながる可能性があります。
まず確認すべきなのは、相続人が誰かという点です。兄弟姉妹など複数人が相続人になる場合、全員の意思を確認せずに話を進めることはできません。複数人もの相続人がいる場合は司法書士に依頼することおすすめします。
次に、名義の確認です。相続登記が済んでいない状態では、売却や正式な契約ができません。名義の整理は、早めに相続登記を行なって名義変更を進めることが重要です。
建物の状態も確認しておきましょう。築年数、劣化状況、雨漏りや破損の有無などを把握することで、今後の選択肢が見えてきます。もし自分で確認することが分からない場合は不動産会社に相談して建物を見てもらうことも一つの方法です。
相続した空き家を放置する人が多い現実
相続直後は、葬儀や手続き、精神的な負担が重なり、空き家のことまで手が回らないことが多くあります。その結果、「家財道具の処分や整理を含め落ち着いたら考えよう」と放置してしまうケースが少なくありません。
しかし、空き家は放置することで問題が解決することはありません。時間が経つほど、劣化や税金、近隣トラブルといったリスクが積み重なっていきます。相続直後こそ、完璧な答えを出さなくてもよいものの、「何もしない状態」を続けることは避ける必要があります。
相続した空き家を放置するリスクの概要
相続した空き家を放置すると、主に三つのリスクが発生します。建物の劣化、金銭的負担の増加、近隣トラブルです。
人が住まなくなった家は急速に劣化します。雨漏りや害虫被害が進み、修繕費が高額になることもあります。
税金面では、固定資産税を払い続ける必要があり、管理状態が悪ければ税負担が増える可能性もあります。
近隣トラブルでは、雑草、不法侵入、治安悪化などが問題になり、精神的な負担が大きくなります。
建物内の家財道具の整理や処分など、以外と費用がかかり金銭的負担が増えてしまいます。
すぐに決断しなくてもよいという考え方
相続した空き家について、多くの人が「早く決めなければならない」と思い込んでいます。しかし、必ずしもすぐに売却や解体を決断する必要はありません。
大切なのは、放置と管理を混同しないことです。何もせずに放置するのではなく、まずは管理しながら考えるという選択肢があります。定期的な管理を行うことで、建物の状態を保ち、時間をかけながら考えることができ、将来の選択肢を狭めずに済みます。
管理しながら考えるという選択肢
相続した空き家をすぐに売るかどうか決められない場合、管理という選択肢があります。定期的な巡回や清掃を行うことで、放置リスクを抑えながら、気持ちの整理や家族との話し合いの時間を確保できます。
管理されている空き家は、売却や活用を検討する際にも有利になります。空き家の状態が良ければ、選択肢は広がります。
売却を考える場合の基本的な視点
相続した空き家を売却する場合、一般的な不動産売却とは異なる点に注意が必要です。相続登記が完了しているか、共有名義になっていないか、相続人全員の同意が取れているかなど、事前に確認すべき事項が多くあります。
また、相続空き家の場合、感情面の整理も重要です。思い出がある家を手放すことに抵抗を感じるのは自然なことですが、現実的な負担と向き合うことも必要になります。
相続前・相続直後に相談するメリット
相続した空き家の問題は、一人で抱え込む必要はありません。相続前や相続直後に相談することで、状況を客観的に整理できます。
相談することで、今すぐ決める必要がないこと、逆に早めに動いた方がよいことが明確になります。問題が大きくなる前に選択肢を知ることで、後悔のない判断がしやすくなります。
よくある相続空き家の失敗パターン
相続空き家でよく見られる失敗の一つが、共有名義のまま放置してしまうケースです。話し合いが進まず、誰も動かない状態が続くと、時間だけが経過し、状況が悪化します。このような問題で空き家として放置されるケースが増えています。このようなことにならないよう、まずは司法書士などの専門家に依頼することも一つの手段です。
また、感情だけで判断してしまい、管理や売却のタイミングを逃すこともあります。「まだ大丈夫」という判断が、後に大きな負担になることもあります。
相談は売るためではなく整理するため
空き家の相談というと、「売却を勧められるのではないか」と不安に感じる人もいます。しかし、本来の相談の目的は、売ることではなく、状況を整理することです。
管理、活用、売却、それぞれの選択肢を知り、自分や家族にとって無理のない道を選ぶために相談することが大切です。
相談することで得られる安心感
相談することで、自分が抱えている不安や疑問を言葉にすることができます。第三者の視点が入ることで、冷静に判断できるようになります。
相続した空き家の問題は、早く片付けることよりも、納得して決めることが重要です。相談は、そのための大切なステップです。
これから相続を迎える人が考えておくべきこと
これから相続を迎える可能性がある人にとっても、空き家の問題は他人事ではありません。事前に情報を知っておくことで、相続後の混乱を減らすことができます。
親と話し合い、家をどうしたいのかを共有しておくことも、将来の負担を軽くする一つの方法です。
まとめ 相続した空き家は相談から始めてよい
相続した空き家の問題は、誰にとっても簡単ではありません。相続直後やこれから相続を迎える段階では、迷いや不安があって当然です。
大切なのは、放置せず、相談という形で一歩踏み出すことです。管理、売却、活用といった選択肢を整理し、自分に合った道を見つけることが、相続空き家の問題を解決する近道になります。

